手技において特に注意が必要なのが、翼状針を用いた採血順番とシリンジ採血時の分注順序です。
翼状針を使用する場合、長いチューブ部分に空気が存在します。最初に凝固検査クエン酸ナトリウム管を直接接続してしまうと、チューブ内の空気(デッドスペース)の分だけ血液量が不足し、クエン酸ナトリウムと血液の「1:9」という厳密な比率が崩れてしまいます。その結果、凝固時間が過度に延長する偽値が発生します。
そのため、翼状針採血で凝固検査が先頭に来る場合は、必ずダミースピッツ(廃棄チューブ)や生化学スピッツを先に通してチューブ内を血液で満たしてから凝固管を挿入する手技が必須です。
また、シリンジ採血からスピッツへ分注する際は、針刺し事故防止機能付きの分注ホルダーを使用し、真空採血管自身の陰圧によって自然に血液を吸入させます。ピストンを無理に押し込むと赤血球が破壊され、後述する溶血の原因になります。