一方で、すべての伝統的企業が沈みゆく泥船というわけではない。ビジネス現場の独自取材や企業データ分析から浮き彫りになったのは、圧倒的な資本力と事業ポートフォリオの再編によって、外資系企業をも凌駕する高待遇を実現している「勝ち組JTC」の存在だ。
製造業の雄であるトヨタ自動車株式会社をはじめとするトッププレイヤーは、巨額の営業利益を原資に大胆な賃上げと人事制度改革を断行している。OpenWork(オープンワーク)の社員クチコミデータやビズリーチ(BizReach)に集まる求人動向を精査すると、総合商社、メガ損保、大手素材メーカーの一部では、30代前半で年収1500万円を超えるケースが珍しくない。
勝ち組企業の共通項は極めて明快だ。参入障壁の高いニッチトップのグローバルシェア、巨額の内部留保、そして旧来の慣習を自ら壊す覚悟を持った経営陣の存在である。彼らは潤沢なキャッシュを投じて先端技術ベンチャーを買収し、社内には成果報酬型のインセンティブを果敢に導入している。守るべき資本力と変革のスピード感が融合した組織は、依然として国内最強のキャリア選択肢として君臨している。