2000年秋の放送当時、ストリートではギャルカルチャーやハイレイヤーのシャギーカットが全盛期を迎えていた。そんな喧騒のなか、画面に現れた神野桜子の佇まいはあまりに鮮烈だった。毛先まで隙なく手入れされたリッチな質感と、歩くたびにしなやかに揺れるローレイヤーの巻き髪。過剰な装飾を削ぎ落とし、髪そのものの健康美と優美な曲線で魅せるそのスタイルは、世の女性たちに強烈な美のパラダイムシフトを巻き起こした。
桜子が劇中で放った「お金持ちと結婚する」という露骨なまでの野心。しかし、どれほど打算的な台詞を口にしても彼女が決して下品に堕ちなかったのは、仕立ての良いスーツや上質なワンピース、そして何よりもあの完璧に計算されたヘアスタイルが圧倒的な品格の防波堤となっていたからに他ならない。外見の説得力がキャラクターの多面性を支え、視聴者を惹きつける大きな原動力となっていたのだ。