時計の針を2000年代初頭へと巻き戻してみよう。玩具メーカーのタカラトミー(当時タカラ)が世に送り出した「バウリンガル」は、世界中に鮮烈な衝撃を与えた。首輪に装着したマイクから音声を拾い、6つの感情カテゴリーに分類して液晶画面に表示する仕組みは、イグ・ノーベル賞を受賞するなど一世を風靡したものの、当時はあくまでエンターテインメントの域を出なかった。
それから四半世紀。センサー技術と情報処理能力の進化は、ハードウェアの制約を過去のものにした。急成長を遂げるペットテック市場において、翻訳機能は専用端末から手のひらのスマートフォンへと完全に移行している。マイクの集音性能向上とクラウド処理基盤の成熟が、鳴き声分析の解像度をかつてないレベルへと引き上げたのだ。