博多の夏を象徴するフィナーレ、「追山笠」。勢い水が威勢よく浴びせられる中、締め込み姿の男たちが巨木を組んだ山笠を担ぎ上げ、一丸となって博多の街を駆け抜ける。そのスピード感と迫力こそが山笠の醍醐味であり、全国から集まる観光客を魅了してやまない。
しかし、その足元は常に危険と隣り合わせだ。「舁き手」と呼ばれる走り手たちは、極限の緊張感の中で山笠を支える。濡れた路面、密集する観客、そして疾走する巨体の慣性力。ほんの一瞬の足のつもりや体勢の乱れが、命取りになる。現場では、極度の興奮状態が生み出す一瞬の隙が、思いもよらぬ大惨事へと直結する緊張感が張り詰めていた。