カッピングの起源は極めて古い。古代エジプトのエーバース・パピルスにも記述が見られ、中国では数千年にわたり東洋医学の重要手技「吸玉療法(きゅうがくりょうほう)」あるいは「抜罐(ばっかん)」として継承されてきた。日本にも仏教伝来とともに伝わり、民間療法や灸治療の補助として親しまれてきた背景がある。
長らく経験則に頼る伝統技術と見なされてきたが、近年はその位置づけが変わりつつある。世界保健機関(WHO)も伝統医学の安全管理や有効性の評価枠組みの中で吸玉療法の標準化に関する議論を進めており、西洋医学単独では解消しきれない頑固な筋緊張や自律神経失調に対する補完的アプローチとして国際的な土俵に上がっている。