ネット掲示板やSNSでは、「台風でもないのに木が倒れるのは鉄道会社の点検不足ではないか」という声が散見されます。しかし、これは鉄道インフラ管理における代表的な誤解の一つです。
日本の民法第233条(竹木の枝の切除及び根の切取り)では、隣地から越境してきた枝であっても、原則として勝手に切除することは認められていませんでした(民法改正により一定の要件下で越境された側の切除が可能となったものの、安全管理上の手続きや土地所有者の特定には依然として高いハードルが存在します)。鉄道会社が「危険だ」と認識していても、民有地の樹木に対して即座に手を出せない法的なジレンマが存在するのです。
【プロの判断】その場で待つべき人・迂回ルートへ即座に動くべき人の基準
倒木事故のアナウンスを聞いた際、どのように行動すべきかは現在地と目的地によって明確に分かれます。
【即座に迂回ルートを選択すべき人】
・重要な商談、飛行機・新幹線の予約など、厳格なタイムリミットがある人
・分倍河原、多摩センター、明大前など、他社線への乗り換えが容易なターミナル駅にいる人
・発生直後のアナウンスで「架線損傷」「停電」の文言が含まれている場合
【駅構内や近隣施設で待機すべき人】
・すでに運転見合わせから2時間以上が経過しており、試運転が始まっている段階に遭遇した人
・他社線へのアクセスに徒歩20分以上の移動や長距離バス移動を要する孤立駅にいる人
・振替輸送先の路線(JR中央線など)もすでに満員電車で入場規制がかかっている場合