ネット検索を行うと頻繁に目にする「まるさ水産 閉店 理由」というキーワード。一部の掲示板やSNSでは「経営不振でチェーン自体が危ないのではないか」といった極端な憶測も見受けられます。しかし、公式の決算資料や出店履歴を紐解くと、事実はまったく異なります。
まるさ水産を展開するのは、名古屋を拠点に多彩な飲食ブランドを運営する東証上場グループ企業(株式会社Jグループホールディングス傘下の飲食事業など)の流れを汲む運営母体です。同社はコロナ禍以降、外食需要の構造変化に合わせて不採算店舗の整理と好採算店舗への経営資源集中を急速に進めました。
過去数年間に実施された閉店の主な理由は、以下の3点に集約されます。
第1に、賃貸借契約の満了に伴うロードサイド大型店の見直しです。昭和から平成にかけて主流だった座敷席主体の100席を超える巨大店舗は、光熱費の高騰や人手不足の影響を強く受けます。同社は収益効率が落ちた旧型店舗の契約更新を行わず、計画的にクローズさせました。
第2に、特定エリアへのドミナント再編です。物流効率を高めるため、鮮魚配送網の最適ルートから外れた孤立店舗を整理し、愛知県西三河・尾張地域および岐阜・三重の主要生活道路沿いへの集中出店へシフトしました。
第3に、デリバリーおよびテイクアウト需要への適合です。客席数よりもキッチンの回転率を重視した業態設計へと進化させており、閉店は衰退ではなく「筋肉質なブランド存続のための事業ポートフォリオ再編」であったことが財務データからも裏付けられます。