初期のヒットキャラクターであったオズワルドの権利を配給業者に奪われ、失意の底にあったウォルト。その絶望のニューヨークからの帰路、列車の中で誕生したのが世界的アイコンであるミッキーマウスだ。しかし、この伝説の始まりを陰で支えた存在を忘れてはならない。実兄でありビジネスパートナーのロイ・O・ディズニーである。
クリエイティブの理想を限界まで追求し資金を使い果たすウォルトに対し、現実的な財務管理と銀行交渉を一手に引き受けたのがロイだった。「兄弟の絆と相互の信頼がなければ、あのネズミが世界中を駆け巡ることはなかった」と関係者は口を揃える。ウォルトが放った「倒れた経験は、次のジャンプを高くするためのバネにすぎない」という言葉は、ロイという絶対的理解者が傍らにいたからこそ生まれた真実の叫びだったと言えよう。