「近所だから」「駅前で通いやすいから」という物理的な距離だけで施術院を決めてしまうことこそ、鍼灸院選びで最も避けたい落とし穴です。鍼灸は体内に極細の金属針を刺入し、艾(もぐさ)で熱刺激を与える侵襲的(生体を傷つける可能性のある)な施術です。そのため、まず大前提として確認すべきは、施術者が厚生労働大臣認定のはり師・きゅう師 国家資格を保持しているかどうかです。
街頭で見かける「リラクゼーションサロン」「もみほぐし整体」は民間資格や無資格でも開業できますが、鍼灸院は法律(あん摩マツ呼吸師、はり師、きゅう師等に関する法律)で定められた医療類似行為の拠点です。現在、専門特化が進む業界内では、スポーツ障害に強い院、不妊や更年期障害を扱う院、自律神経ケアに特化した院など、得意分野の細分化が急速に進んでいます。
「肩こりを治したいのに美容専門の院へ行ってしまった」「自律神経の不調を相談したのに強い筋力マッサージしか受けられなかった」といったミスマッチを防ぐためには、院が掲げる主たる専門領域と、自身の悩みの根本原因が合致しているかを必ず事前に照合しなければなりません。