長年培われてきた伝統工芸産業は、大きな変容の時を迎えている。継承されてきた技法を守り抜くだけでなく、現代の多様化した生活空間に溶け込む新たなクリエイティビティが次々と生まれているのだ。その中心的な役割を果たしているのが、重要無形文化財保持者(人間国宝)らを擁する公益社団法人日本工芸会である。
日本工芸会が主催する展覧会や各種イベントでは、厳格な伝統技術に基づきながらも、洗練された現代的な感覚を融合させた作品が発表されている。伝統を守ることは、変化し続けることと同義でもある。クラシカルでありながらどこかモダン、そんな和洋の境界を軽やかに飛び越える作品たちが、これまでにない新しい工芸ファン層を開拓している。