地方都市におけるテレビ視聴環境について、ネット上では「大都市圏である愛知県なら、東京キー局の番組は100%リアルタイムで流れているはずだ」という誤解が根強く残っています。しかし、これは業界構造を知らないことから生じる決定的な思い込みです。
民放連の編成ルールにおいて、キー局から送られてくる番組には「ネットワークセールス枠(全国一斉ネットが義務付けられている枠)」と「ローカルセールス枠(各局が自社判断で別番組に差し替え可能な枠)」が存在します。平日の夕方帯(15時〜19時)や金曜・休日の特定ゴールデン帯はローカルセールス枠に指定されているケースが多く、在名局は自社の営業収益と地元スポンサーの要望を最大化するために、堂々と自社制作番組を編成します。
その結果、全国ネットのバラエティ特番の前半部分(19時〜20時など)が愛知エリアだけスパッと切り落とされ、20時からの飛び乗り放送になるといった事態が発生します。ネット上のSNSトレンドで「放送始まってるのにテレビ欄に出てこない」「私の地域だけハブられているのか」と騒ぎになる背景には、こうした地方局の収益構造と編成権の独立性が深く関わっています。愛知県のテレビ欄を見る際は、「東京と同じものが流れていて当たり前」という先入観を捨てることこそが、番組見逃しを防ぐ第一歩です。