従来の前髪クリップといえば、跡がつきにくいフラットなプラスチック製で、室内利用を前提としたものが大半を占めていた。だが、昨今のトレンドは明確に「街着け」へとシフトしている。アセテート樹脂や重厚感のある金属パーツを採用し、一見するとハイブランドのジュエリーと見紛うような質感のプロダクトが続々と登場した。
この構造変化は、拡大を続けるヘアアクセサリー産業にとっても大きな転換点となった。従来のファン層である小中学生にとどまらず、購買力の高い20代から40代の層が参入したことで、単価の急上昇と市場全体の底上げが進行している。成熟した日本のキャラクターグッズ市場において、日常使いできる実用性と所有欲を満たす高級感の融合が、これまでにない巨大な需要を掘り起こした形だ。