都市部の清掃事務所を取材すると、現場職員の苦悩が浮き彫りになります。ある作業員の手記には「指定袋の外からでは分からない形で放り込まれた出刃包丁がズボンを切り裂き、間一髪で大怪我を免れた」という生々しい記録が残されています。刃物をごみに出すという行為は、誰かの労働環境に直接干渉する社会的責任を伴います。
また、物置や引き出しの奥から出てきた錆びた包丁の処分方法についても相談が絶えません。赤サビで覆われた包丁を見ると「もうゴミにするしかない」と思われがちですが、鋼(ハガネ)の和包丁であれば、表面のサビをクレンザーやサビ落とし消しゴムで落とし、砥石で研ぎ直すことで現役に復帰する個体が多く存在します。
一方、柄の内部が腐食してガタついているものや、刃が大きく波打って欠けている安価なステンレス包丁は、修繕コストが新品購入額を上回るため、迷わず安全梱包の上で不燃ごみへ回すのが合理的です。