現場で最も広く普及しているのが、ラチェット機構を備えたラッシングベルト(荷締めベルト)です。テコの原理を応用することで、女性や不慣れな作業員でも強力な張力(テンション)を掛けられますが、構造を理解しないまま操作すると指を挟む怪我や突然のテンション解放による跳ね返り事故を招きます。以下に基本操作の手順を整理しました。
【締め付けの手順(テンションの掛け方)】
1. フックの設置:トラックの荷台側面や床面に埋め込まれた「ラッシングレール」または頑丈なフック掛け金具に、ベルト両端の金具(ワンピース金具やJフック)を確実に噛み合わせます。
2. ベルトの長さ調整:バックル中央のスリット(巻き取り軸)にベルトを通し、手で引っ張ってたるみを完全に取り除きます。この事前調整を怠ると、巻き取り軸がベルトで一杯になり締め込めなくなります。
3. ラチェットレバーの操作:安全ロックレバーを引きながらハンドルを起こし、往復運動させてベルトを巻き取ります。巻き取り軸にベルトが2〜3周程度均等に巻き付いた状態が最も強固に固定されます。
4. ロックの確認:十分な張力がかかったら、ハンドルを完全に倒して安全ロックがカチッと噛み合っていることを目視と手触りで確認します。
【緩め方・解除の手順(テンションの抜き方)】
1. 安全の確保:固縛を解いた瞬間に荷物が手前へ倒れてこないか、荷物の傾きを慎重に確認します。
2. リリースレバーの引き込み:ハンドルの内側にあるロック解除レバー(リリースレバー)を指で強く引き上げます。
3. ハンドルを180度全開にする:レバーを引いた状態のまま、ハンドルを外側へ完全に平らになるまで(約180度)押し広げます。この位置でロックが外れ、「バチン」という音とともに巻き取り軸がフリーになります。
4. ベルトの引き抜き:ベルト本体を持ってスリットから引き出し、両端のフックを取り外します。