父・二代目中村梅之助の名を一躍全国区に押し上げたのが、テレビ時代劇の金字塔『伝七捕物帳』だ。紫房(むらさきぶさ)の十手を鮮やかに操り、「ヨヨヨイ、ヨヨヨイ、ヨヨヨイヨイ、めでてえな」の決め台詞で悪を断つ伝七の姿は、昭和のお茶の間を熱狂させた。
舞台仕込みの正確な所作と、誰もが親近感を覚える愛嬌。梅之助が体現したこのスタイルは、テレビという新しいメディアにおいて時代劇の可能性を大きく広げた。梅雀が演じるキャラクターたちにも、どこか憎めない愛嬌と視聴者をホッとさせる安心感が常に漂う。それは父が『伝七捕物帳』などで培った「大衆に寄り添う芝居の極意」が、確かな形で息子へと継承されている証左に他ならない。