国内の衛生環境を根底から支えているのが、厚生労働省や関係諸機関の主導によって整備された日本産業規格「JIS T 9001」だ。それまで国内外の乱立する基準に惑わされていた消費市場や医療現場に対し、明確な品質のモノサシを打ち立てた意義は極めて大きい。
日本衛生材料工業連合会(日衛連)による適合審査を通過した製品だけが、パッケージにJIS適合マークを表示できる。微粒子捕集効率(PFE)やバクテリア飛沫捕集効率(BFE)、さらには通気性(圧損)や安全衛生項目に至るまで、客観的な数値基準が厳密に定められた。これにより、伝統的な衛生材料製造業から発展した企業はもちろん、新規参入組も自社設備の高度化を余儀なくされた。
現在、医療機器産業と密接に連携するクラスⅡ・クラスⅢ対応の高度サージカルモデルから、一般家庭用のクラスⅠまで、用途ごとのすみ分けが完了している。確固たる公的規格の存在が、安かろう悪かろうの海外製に対する強固な参入障壁として機能している事実は見逃せない。