窪塚洋介のファッション史を語る上で避けて通れないのが、2000年に放送されたドラマ『池袋ウエストゲートパーク(IWGP)』における「キング」こと安藤崇のビジュアルです。原作の冷徹なキャラクター像を覆し、窪塚本人のアイデアを取り入れて生み出された白のスウェットセットアップ、開襟シャツ、バンダナ、そして金髪をなびかせる脱力した佇まいは、当時の若者カルチャーに地殻変動を起こしました。
当時の渋谷・原宿のストリートショップ店員は「放送翌週には、彼が劇中で着用した配色のジャケットやスニーカーが店頭から一瞬で消滅した」と証言しています。90年代後半から続いていた裏原宿ムーブメントの熱狂を、マスカルチャーの茶の間にまで一気に爆発させた立役者こそが彼でした。
特筆すべきは、劇中のスタイリングが単なるコスプレに終わらず、当時の東京のストリートで実際に息づいていたスケートやヒップホップ、パンクのミクスチャー感を完璧に体現していた点です。計算されたオーバーサイズのドレープ感と、華奢な身体から放たれる狂気的なエネルギーの対比は、20年以上が経過した現在でも色褪せない伝説として語り継がれています。