毎日のテレビ放送枠には厳密な制限がある。数十秒から数分という限られた時間のなかで削ぎ落とされた「未公開データ」の中にこそ、実は本質的なヒントが隠されている。NHK報道局が総力をあげて実施する独自調査やアンケート、あるいは専門機関との共同分析による膨大な統計データ。それらは画面上ではほんの一部しか提示されない。
例えば、地域ごとの実質賃金の偏りや、中小企業の設備投資意欲に関する詳細なアンケート結果だ。放送では「全国的な傾向」として丸められてしまうデータも、詳細に掘り下げると地域格差の生々しい現実に突き当たる。報道メディアとしての真価は、こうした表に出にくい数字を丹念に拾い上げ、社会の課題を可視化する力にこそ宿っている。