明治大学の文系学部生にとって、2年次から3年次への進級は生活環境の劇的な転換期を意味します。明大前駅の開放的な学生街から、御茶ノ水・神保町のオフィス街へと通学ルートが完全にシフトするためです。
しかし、この学年移動の裏には、明大生の間で代々語り継がれる「和泉返し(いずみがえし)」という現象が存在します。
和泉返しの意味とは、1・2年次に和泉キャンパスで履修すべき必修科目や基礎科目の単位を落として進級した場合、3・4年次になって駿河台キャンパスに通いながら、週に数回わざわざ和泉キャンパスまで再履修の授業を受けに戻らなければならない状態を指します。最悪の場合、進級基準を満たせずに「和泉留年」としてそのまま低学年校舎に据え置かれるケースもあります。
「午前中は和泉キャンパスで外国語の再履修講義を受け、急いで京王線と中央線を乗り継いで午後の駿河台の専門ゼミに駆け込む日々は本当に過酷でした。移動時間で体力を削られ、就活の面接スケジュール調整にも悪影響が出ました」(法学部卒業生の証言)
和泉から駿河台への移動にはドアツードアで約30〜40分を要します。心理的・体力的な負荷は決して小さくありません。文系学生にとって、低学年次に堅実に単位を揃えて「完全な駿河台移行」を果たすことは、充実したキャンパスライフを送るための必須防衛策となっています。