春の行楽シーズンともなれば、世界中から観光客が押し寄せ、メインストリートは足の踏み場もないほどの賑わいを見せる。しかし、ほんの少し歩く角度を変えるだけで、まったく異なる静寂の空間が広がっているのだ。大混雑を回避してスマートに巡るなら、大手門側からではなく、あえて乙川河川敷の南側遊歩道を経由して東隅櫓へ抜けるアプローチが断然おすすめだ。このルートなら、ツアー客の波に飲まれることなく、スムーズに城内へとアクセスできる。
さらに、写真好きなら絶対に外せない「隠れたアングル」が存在する。天守閣を正面から捉える王道スポットは常に人垣ができるが、二の丸能楽堂裏手にある竹林の小道から見上げる天守のカットは秀逸の一言。竹の青々としたグラデーションと木漏れ日が重なり、まるでタイムスリップしたかのような幻想的な1枚が撮れる。夕刻、菅生川の河畔から城郭を遠望する構図も、水面に沈む夕日と相まって息をのむ美しさだ。