適切なテーピングを選択するためには、まず患部で何が起きているのかという病態メカニズムの特定が欠かせません。指の第二関節に激痛が走るケースは、大きく分けて「外傷性」と「変形性(加齢・ホルモンバランス等)」の2つに大別されます。
スポーツや転倒時に頻発する突き指の正体の多くは、指第二関節側副靭帯損傷です。PIP関節の両脇には、指が左右にグラつくのを防ぐ側副靭帯が強固に張り巡らされています。ボールが指先に正面から当たった際、あるいは斜めから強い外力が加わった瞬間にこの側副靭帯が過度に引き伸ばされ、微小断裂や完全断裂を起こします。受傷直後に内出血や激しい腫れが生じるのはこのためです。放置して競技を続けると関節が緩んだまま不安定になり、将来的な変形性関節症の引き金となります。
一方、中高年以降の女性を中心に多く見られるのが、ブシャール結節テーピングを必要とする変形性関節症です。ここで混同されやすいのがヘバーデン結節ブシャール結節違いの解剖学的区分です。
第1関節(DIP関節)に骨の変形や痛み、粘液嚢胞が生じるものを「ヘバーデン結節」と呼ぶのに対し、第2関節(PIP関節)に生じる関節軟骨の摩耗や骨棘形成は「ブシャール結節」と診断されます。両者は発生する関節の位置が明確に異なりますが、更年期前後の女性ホルモン(エストロゲン)の減少や手の酷使が関与している点では共通しています。ブシャール結節の場合、骨同士がぶつかり合う摩擦熱や滑膜の炎症によって激しいズキズキ感が生じるため、強い圧迫ではなく「関節の横揺れを抑えて摩擦を減らす支持」がテーピングの主目的となります。