企業の給与実態を正確に把握するうえで最も信頼性の高い一次資料が、金融庁に提出される有価証券報告書です。鎌倉新書有価証券報告書の直近公表データを精査すると、提出会社ベースにおける平均年間給与は約578万円、平均年齢は34.2歳、平均勤続年数は3.1年前後の水準を示しています。
この数値をどう評価すべきでしょうか。国税庁が発表した民間給与実態統計調査による日本の給与所得者の平均年収(約460万円)と比較すれば、100万円以上高い水準に位置しています。しかし、リクルートホールディングスやエムスリー、ヤフー(LINEヤフー)といった東証プライム上場のメガITプラットフォーマー(平均年収800万〜1,000万円超)と比較した場合、求職者が「想像していたより控えめだ」と感じるケースがあるのも事実です。
終活というニッチかつ社会的重要性の高いマーケットを開拓してきた歴史から、同社は急成長ITベンチャーの側面と、専門出版社を祖業とする手堅い事業会社の両面を併せ持っています。平均勤続年数が約3年と比較的短いのは、近年の事業拡大に伴い中途入社者が急増している組織改編フェーズにあるためであり、過度な早期離職のみを意味するわけではありません。