肺梗塞の予後は、初期の重症度と治療開始までのスピードに大きく左右されます。血圧低下を伴わない低リスク例では院内生存率95%以上と良好な経過をたどる一方、心原性ショックを伴う最重症例では死亡率が30%前後に達することもあります。
さらに見過ごせないのが、発症後の後遺症です。血栓が完全に溶けきらず器質化して肺動脈に残り、慢性的に肺の血圧が高くなる「慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)」へと移行するケースが数%存在します。退院後も「階段を上るときに息切れが続く」といった症状がある場合は、定期的な心エコーや呼吸機能検査による経過観察が不可欠です。
【日常生活で実践できる再発予防と運動法】
- 「足首パタパタ運動」の習慣化:座ったまま足首を上下に動かし、ふくらはぎの筋肉を収縮させることで「第二の心臓」のポンプ機能を働かせ、静脈血のうっ滞を防ぐ。
- こまめな水分補給:1時間に1回は少量(100〜150ml程度)の水を口にし、血液の脱水を予防する。
- 弾性ストッキングの着用:長時間の立ち仕事やデスクワーク、フライト時には医療用着圧ソックスを活用して下肢の静脈還流を補助する。
- 1時間ごとの立ち上がりと歩行:連続して座り続けないようタイマーをセットし、軽く室内を歩く。