一部のネット掲示板やSNSでは、「港区の中国大使館周辺にいる厳重な警戒要員は陸上自衛隊ではないか」という書き込みが散見されますが、これは100%の事実誤認です。
国際法である「外交関係に関するウィーン条約」第22条に基づき、接受国(日本)は大使館などの公館の安寧を保護する特別の義務を負っています。日本国内においてこの任務を担うのは、警察法および道路交通法に基づく治安機関、すなわち警視庁(機動隊・警備部)です。中国大使館周辺に配備されている機動隊車両や制服警察官は警察組織であり、自衛隊員が平時に公館警備を行う法的権限はありません。
自衛隊が国内の施設警備に関与できるのは、自衛隊法に定められた「自衛隊施設自体の警備(第95条)」や、内閣総理大臣の発令による「治安出動(第78条・81条)」「防衛出動(第76条)」といった極めて重大な事態に限られます。平時の大使館警備に陸上自衛隊が動員されることは制度上あり得ません。