手羽元の唐揚げで最も多い失敗である「パサつき」は、骨の周りまで火が通らないことを恐れて過剰に加熱し肉汁(水分)を完全に蒸発させてしまうことが直接的な原因です。太い骨は熱を伝えにくいため、表面がきつね色に揚がっていても骨の周囲は冷たいままという温度差が生じます。
この問題を根本から解消するのが、揚げる前の手羽元の下処理方法です。まずは骨の両側に沿って深さ5ミリほどの切れ目を入れる生焼け防止の切り込みを施します。骨と肉の接合部に包丁の刃先を入れることで、熱が骨の深部まで一気に通りやすくなり、火の通りが劇的に均一化します。
さらに、フォークで皮面を数カ所刺して筋繊維をほぐし、軟骨周辺の太い筋を断ち切る作業を加えてください。これが加熱後の骨離れを良くする裏技となり、食べる際にストレスなく身がホロリと外れるようになります。下処理を終えた肉は冷蔵庫から出し、常温に20〜30分置いて中心温度を室温に戻すことが、芯冷えによる生焼けを防ぐ不可欠なプロセスです。