富裕層が億単位の資金を投じる理由は、単なる趣味にとどまらない。ドバイの畜産市場では現在、すべての血統情報がブロックチェーン上に刻まれ、DNA分析に基づく非代替性の個体識別が行われている。偽造が不可能なデジタル血統書の発行により、ヤギそのものが強固な実物資産として機能し始めたのだ。
特に近年は、インフレヘッジとしての現物資産投資の文脈で買い手が増加。世界的な経済変動の中でも価値が落ちにくい稀少血統は、プライベートファンドのポートフォリオにも組み込まれる事態となっている。生き物である以上リスクはあるが、保険制度や24時間の獣医モニタリング網の整備により、金融商品並みの管理態勢が構築されている。