芸能界においてタレントが突然事務所を解雇されるケースは、一般社会の会社員の懲戒解雇とは異なる重みを持っています。過去の事例では、薬物事件や反社会的勢力との交際といった重大犯罪が背景にある場合が多かったため、大衆の深層心理には「事務所から即座に契約解除される=警察が動くレベルの犯罪」という短絡的な認知バイアスが刷り込まれていました。
しかし、実際の山本裕典氏の契約解除理由は、彼自身が後の特番インタビューなどで明かしている通り、「副業の無断展開」や「事務所の指示に対する度重なる反発」、そして「プライベート管理の甘さ」でした。決して警察沙汰になるような事案ではありません。
にもかかわらず、ネット上の掲示板や一部のまとめブログは、読者のクリック数を稼ぐために「契約解除の裏に警察の影」「逮捕間近か」といった扇情的なタイトルを乱発しました。こうしたデジタルタトゥーが何年にもわたって検索エンジンのキャッシュに残り続け、事実を知らない新規ユーザーを惑わし続けるという弊害を生み出していたのです。