SNSや専門掲示板、業界関係者の非公式な交流会で交わされる評判からは、同紙に対する賛否両論のリアルな生態系が見て取れます。
宿泊施設経営者や観光協会職員から寄せられる肯定的な評価の中心にあるのは、一次情報へのアクセス速度です。「観光庁の事業公募や補助金の要件緩和など、全国紙が小さくベタ記事で扱う内容が、観光経済新聞では詳細な要件解説付きで1面に載る。これのおかげで申請準備を他社より1ヶ月早くスタートできた」という地方旅館専務の声は象徴的です。
一方で、批判的・慎重な意見も存在します。ネット上の関係者コミュニティでは次のような指摘も聞かれます。
「記事の文体が官報的で堅く、直感的なマーケティングトレンドを追うには少し重い」
「紙面構成が昔ながらの業界紙スタイルを踏襲しているため、若いホテルスタッフに読ませるには要約の手間がかかる」
また、OTA(オンライン・トラベル・エージェント)出身のデジタルマーケターからは、「紙面のトーンがリアルな老舗旅館や大手旅行代理店寄りであり、外資系OTAやSNS集客の最先端ハックに関してはウェブメディアの方が早い」といった分析もなされています。観光経済新聞の強みは、トレンドの軽薄な追従ではなく、業界の法規制、金融、労使関係といった「骨太な構造変化」を追う点にあるという理解が必要です。