三味線に猫皮を使う理由と現在|犬皮との違いや最新人工皮の実力を追う

三味線に猫皮を使う理由と現在|犬皮との違いや最新人工皮の実力を追う

三味線に猫皮を使う理由と現在|犬皮との違いや最新人工皮の実力を追うの概要と注目ポイントをわかりやすく整理しました。

三味線に用いられる皮は猫だけではありません。豪快な叩き弾きが特徴の津軽三味線や、義太夫節などの太竿三味線には、古くから犬皮(けんぴ)が主流として使われてきました。また近年急速に普及している人工皮を含め、それぞれの素材特性と維持コストには決定的な違いが存在します。

皮の種類主な用途・音色の特徴張り替え費用の相場(片面)耐久性とメンテナンス性猫皮(四ツ皮)長唄・地唄・端唄などの細竿・中竿。高音が澄み、サワリの余韻が極めて繊細。約50,000円〜90,000円超(極上四ツ皮は時価・10万円超も)極めてデリケート。湿度変化に弱く、梅雨時期の破裂リスク大。犬皮(けんぴ)津軽三味線・義太夫・民謡。厚手で力強い音圧。各流派のお稽古用全般。約25,000円〜45,000円(部位や厚みにより変動)比較的頑丈で強い撥打ちに耐える。ただし湿気による緩みには注意が必要。合成皮革(リプル等)全ジャンルの練習用からプロの舞台・海外遠征用まで急速に拡大中。約18,000円〜35,000円(皮の種類・工法による)圧倒的な耐久性。温湿度変化で破れず、長期間放置しても緩まない。

犬皮は猫皮に比べて厚みがあり、硬度と引裂強度に優れています。そのため、撥を皮に叩きつけるように叩打する津軽三味線において猫皮を使うことは基本的にありません。無理に張れば即座に破れてしまうためです。一方、長唄などでは「犬皮はお稽古用、本番は猫皮」という棲み分けが長年定着していましたが、張り替え費用の高騰がその構造を崩しつつあります。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。