受験生や保護者が進路決定において最も見落としがちなのが、「キャンパスの分散」と「専門教育環境の特殊性」です。兵庫県立大学は、2004年に神戸商科大学・姫路工業大学・兵庫県立看護大学の3大学が統合して誕生した総合大学であるため、学部ごとにキャンパスが兵庫県全域に点在しています。
在学生やOBの手記、各キャンパスでの学生生活の実態を検証すると、それぞれの学部固有のリアルが浮き彫りになります。
工学部:姫路書写の山麓で磨かれる実学の現場
兵庫県立大学工学部のキャンパスは、姫路市北西部の書写山麓に位置します。姫路駅からバスで約25分〜30分という立地のため、大都市圏のキャンパスライフを期待する学生にはやや落ち着きすぎた環境に映るかもしれません。しかし、この隔離された研究環境こそが、高い研究水準を生む土壌となっています。広大な敷地に大型の実験施設が整い、学部4年間から大学院修士課程の2年間まで、研究に没頭できる濃密な指導体制が確立されています。
理学部:世界最高峰の大型放射光施設と直結する研究室群
兵庫県立大学理学部の研究室が位置する播磨理学キャンパスは、播磨科学公園都市にあり、世界最高水準の大型放射光施設「SPring-8」およびX線自由電子レーザー施設「SACLA」に隣接しています。物質科学や生命科学の分野において、学部生や大学院生が日常的に国家プロジェクト級の最先端実験設備にアクセスできる環境は、旧帝国大学を含めても国内屈指の贅沢さを誇ります。
看護学部:圧倒的な国家試験合格率と徹底した臨床指導
明石キャンパスに拠点を置く兵庫県立大学看護学部の国家試験合格率は、看護師・保健師ともにほぼ毎年100%近い数値を記録しています。少人数制の手厚い実習指導と、兵庫県立粒子線医療センターや県立総合医療センターなどの県立病院群との強固な連携により、即戦力となる高度専門職業人を育成するカリキュラムが完成されています。