2000年代以降、岸部はテレビドラマの世界でも圧倒的なアイコンとなる。テレビ朝日系『相棒』シリーズで演じた警視庁組織犯罪対策部内定幹部・小野田公顕(官房長)役は、味方か敵か分からない底知れぬ魅力で視聴者を魅了した。水谷豊演じる杉下右京との緊張感あふれる回転寿司シーンは、いまや語り継がれる伝説的名場面だ。
また、同局の『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』における神原晶役も見逃せない。メロンと請求書を手に「いたしません」と微笑むお茶目な姿と、裏で見せる老練な交渉術の落差。サスペンスドラマから本格コメディまで、画面に映るだけで作品の質感を一段引き上げる圧倒的な演技力は、まさに名バイプレイヤーの真骨頂と言える。