サバ缶がコレステロール改善に寄与する最大の理由は、青魚特有の多価不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が圧倒的な濃度で凝縮されている点にあります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」ではオメガ3系脂肪酸の目標摂取量を1日あたり約1.6〜2.2g(成人)と設定していますが、一般的なサバ缶(150g〜190g)を1缶食べるだけで、この基準を軽くクリアする約2,000mg〜3,000mg以上のEPA・DHAを補給できます。
体内に取り込まれたEPAは、肝臓における中性脂肪の合成酵素を強力に阻害し、血中への中性脂肪分泌を抑制します。中性脂肪が減少すると、血管壁に沈着しやすい危険な「小型高密度LDL(超悪玉コレステロール)」の生成経路が断たれます。血液検査の総LDL値だけでなく、質的な血管リスクそのものを低下させる点こそが、サバ缶が医療現場や栄養指導で高く評価され続ける生理学的な根拠です。
さらにDHAは血管内皮細胞の柔軟性を保ち、善玉(HDL)コレステロールが不要なコレステロールを回収して肝臓へ戻す働きを後押しします。生魚を調理する際に流出しがちな良質な油が、密閉加熱調理される缶詰の内部にそのまま封じ込められている点も、生鮮魚以上に効率的とされる大きなアドバンテージです。