単一品種であるブルゴーニュのピノ・ノワール100%から造られるワインは、天候や土壌の変化をそのまま液体に映し出すデリケートな性質を持ちます。そのため、ヴィンテージによる評価の違いはワインの寿命や相場に甚大な影響を及ぼします。
専門家や国際的なワイン評価誌(デカンター、ワイン・アドヴォケイト等)が認めるロマネコンティの当たり年一覧を整理すると、以下の年代が突出した「グレート・ヴィンテージ」として歴史に刻まれています。
- 歴史的伝説年:1945年、1978年、1985年、1990年(数十年を経ても衰えない完璧な生命力)
- 21世紀の超優良年:1999年、2005年、2010年、2015年(果実の凝縮感と骨格の調和が完璧な世紀の傑作)
- 近年の高評価年:2018年、2020年(温暖化の影響を受けつつも、驚異的な酸とフィネスを保持した当たり年)
では、実際に口に含んだときのロマネコンティの味わいの特徴と評判とはどのようなものなのでしょうか。数多くのグラン・ヴァンをテイスティングしてきた熟練のシニアソムリエや著名評論家たちの手記には、共通する表現が散見されます。
「グラスに注いでから数十分、あるいは数時間をかけて幾重にも開くアロマは、摘みたての赤系果実から、やがてドライローズ、オリエンタルスパイス、白檀、濡れた土、秋の森の茸、そしてジビエへと変幻自在に表情を変える」
口当たりは重厚で濃密なボルドーとは対極にあり、極めて軽やかでシルクのように滑らかです。それにもかかわらず、喉を通った後に数分間にわたって口中に留まり続ける圧倒的な「余韻の長さ(ロング・フィニッシュ)」こそが、ロマネ・コンティが他を圧倒する最大の奇跡と言われます。「酸、タンニン、果実味のバランスが完全に融合し、角が一切ない球体のような完全調和」と表現されるその体験が、世界中の愛好家を熱狂させているのです。