かつての現場を知る関係者が口を揃えるのが、「参加者のモラル低下」と「過度な飲酒」が重なったリスクです。西大寺会陽で死亡事故はなぜ防げなかったのかという検証において、アルコールの影響は決して無視できない要素でした。
当時は寒さを紛らわせるため、あるいは気合を入れるためと称して、大量の酒をあおってから境内に乱入する参加者が少なくありませんでした。酩酊状態での激しい押し合いは判断力を鈍らせ、周囲の安全への配慮を失わせます。さらに、当時は誰でも自由に参加できる「飛び入り参加」が黙認されていた時代もあり、身元や体調の把握が寺院側・警察側でまったく追いついていませんでした。
統制の取れない大集団が狭い本堂に雪崩れ込む構造、そして危機管理体制の甘さが重なり合った結果、過去の西大寺観音院における事故の経緯へと繋がってしまったのです。