育児コミュニティやSNSでは、「うちの子も反り返りが激しかったが、単に背筋が強いだけだった」「おむつ替えで足をつっぱるのは元気な証拠」といった体験談が飛び交う一方、「反り返りがある=脳性麻痺」という極端な言説に怯えてしまう保護者も少なくありません。ネット上の噂と臨床医学的な事実には明確なギャップが存在します。
健常児の一時的な癖と、軽度脳性麻痺の特徴的な見分け方を整理すると、以下の差異が挙げられます。
- リラックス時の筋緊張:単に機嫌が悪くて反り返っている健常児は、抱っこ紐に入れた際や入浴中、熟睡時には手足の力が抜け、柔らかくなります。これに対し、脳性麻痺が疑われる場合は、睡眠中や安静時でも筋肉の強張りや左右非対称の硬さが残ります。
- 足のクロス(ハサミ脚):抱き上げた際、両足が自然に曲がらず、ピンと伸びて足首が交差してしまう現象は、痙直型脳性麻痺の初期に見られる重要なサインです。
- 手の握り込みの解除:生後3ヶ月を過ぎると健常児は自発的に手を開く時間が増えますが、親指を固く巻き込んだまま開こうとしない状態が続く場合は注意が必要です。
注意すべきは、「反り返りがあるからといって直ちに脳性麻痺とは限らない」という点です。胃食道逆流症による不快感や、単なる運動発達のペースの違いであるケースも多いため、一つの兆候だけで自己判断せず、小児科医による全体的な発達評価を受ける姿勢が求められます。