祭主としての顔と並び、彼女を語る上で欠かせないのが研究者としての側面だ。民間機関である山階鳥類研究所で長年にわたり非常勤研究員として勤務し、カワセミの生態研究などに地道に取り組んできた。自ら胴長靴を履いて水辺に立ち、泥にまみれながら双眼鏡を覗き込む姿は、一人の真摯な科学者そのものであった。
結婚を機に常勤の現場からは退いたものの、同研究所との知的交流や学術的な関心は今なお続いている。観察眼の鋭さと粘り強い調査姿勢は、自然界の摂理と神道思想が交錯する現在の神職活動にも、深みある知見として確実に息づいている。