IT現場の取材において、情報システム部門の担当者や業務ユーザーから寄せられる声は、技術仕様の解説だけでは見えてこない過酷な日常を浮き彫りにしています。
都内の製造業で社内SEを務める40代男性は、昨今の状況について次のように手記を寄せています。
「毎月月初になると、支社から『システムが真っ白になって発注が出せない』という緊急電話が鳴り響きます。原因を調べると、以前情シスが手作業で追加したIEモードの30日期限が切れているだけ。現場の一般ユーザーからすれば、Edgeのアップデートも期限切れも区別がつきません。『壊れた』と大騒ぎになり、情シスは丸一日電話対応に追われます。結局、サイトリストのGPO配布を断行してようやく平和が訪れました」
また、官公庁の電子入札や医療機関のレセプト関連を扱うコミュニティ(SNSや専門掲示板)でも、特有の苦悩が噴出しています。
「入札システム側のActiveXプラグインが古すぎて、Edgeのバージョンが上がるたびにレンダリングが怪しくなる」
「外部ベンダーにWebシステムのHTML5化を見積もったら数千万円と言われ、結局経営陣が『2029年までIEモードで逃げ切ろう』と判断してしまった」
現場の実態調査から判明したのは、IEモードが単なる「便利な互換機能」ではなく、古いシステムを延命させるための麻薬のような存在になっているという構造です。ユーザーがトラブルに直面した際の混乱の深さは、企業が背負い続けている技術的負債の重さに比例しています。