視力検査の裏ワザは通用する?免許更新と健康診断の噂を徹底検証

視力検査の裏ワザは通用する?免許更新と健康診断の噂を徹底検証

視力検査の裏ワザは通用する?免許更新と健康診断の噂を徹底検証の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

視力検査の現場で最も多くの受検者が咄嗟にやってしまう行為が「目を細める」ことです。かすんで見えないランドルト環に対し、目を極限まで細めると、なぜか急に輪の切れ目がくっきりと浮き上がって見えた経験を持つ人も多いはずです。この現象には、光学的な物理現象であるピンホール効果の原理が明確に作用しています。

ピンホール効果とは、光が通過する開口部を意図的に小さく絞ることで、目に入ってくる光の束(光線束)を細くし、焦点深度を深くする仕組みを指します。通常、近視や乱視の眼球では光が網膜の手前や奥で散乱し、像がぼやけて認識されます。しかし、目を細めて瞳孔に入る光を中央部分だけに制限すると、角膜や水晶体の屈折異常による散乱光がカットされ、ピントのずれがあっても網膜上に鮮明な像を結びやすくなります。カメラの絞りを絞ると手前から奥までピントが合う現象と全く同一のメカニズムです。

しかし、この手法が検査現場で通用するかといえば、答えは完全に「ノー」です。検査現場で目を細めるとバレる理由は極めてシンプルで、検査員が受検者の「顔そのもの」を正面から注視しているためです。運転免許センターの視力検査機には、受検者の顔を覗き込ませるフードの内側や、対面モニター越しに目元の動きを監視するミラーおよびカメラが設置されています。受検者が目を細めた瞬間、まぶたの筋肉(眼輪筋)の不自然な収縮や眉間のシワ、顎を突き出すような姿勢の変化が一目で伝わります。

警視庁や各都道府県警察の運転免許試験場に勤務する複数の元検査員によると、「不自然に目を細めた受検者には、即座に『目を開けてください』『普通に前を見てください』と注意を促すのが規定の手順」と証言しています。注意されても目を細め続けた場合、意図的な不正測定とみなされ、その判定は無効となります。さらに、まぶたを強く緊張させることで一時的に角膜の表面が歪み、かえって乱視が悪化してその後の測定で視力が低下する逆効果さえ招きます。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。