多くの読者が狂四郎2030 カレー トラウマとして記憶を共有しているのは、そこで行われた行為のあまりの非人道性にあります。舞台となったオアシス農場とは、遺伝子ランクの低い人間たちが家畜同然に隔離・強制労働を強いられる施設でした。
この施設を牛耳っていたのが、冷酷非情なサディストの管理官・白鳥です。白鳥は自らの絶対的な権力を誇示し、収容された者たちの自尊心を完膚なきまでにへし折るため、反抗的な態度を見せた少年に対し、誰もが耳にしたことのある「あの悪問」を突きつけます。
「カレー味のうんこと、うんこ味のカレー、どっちを食べる?」
追い詰められた少年が恐怖に震えながら「……カレー味のうんこ」と答えると、白鳥は冷笑を浮かべ、自らの汚物を皿に盛り付けて少年に差し出します。愕然とする少年に対し、白鳥が言い放ったセリフこそが、数多くの読者を絶句させた決定的な瞬間でした。
「バカねぇ〜、カレー味のうんこなんてあるわけないじゃない! これ、本物のうんこよ!」
言葉を失う少年に対し、力ずくで汚物を口へと押し込む拷問。小学生の他愛のない駄洒落を、極限の密室における「人間性の完全否定」へと反転させたこの瞬間に、読者の胃袋を直接掴むような吐き気と戦慄が走ったのです。