本作の根底に流れる禍々しい世界観は、どのようにして構築されたのか。関係者への取材を通じて浮き彫りになったのは、初期構想段階における徹底した残酷描写の追求と、緻密なプロットの存在だ。
企画立ち上げ当初のプロットにおいて、『C³ -シーキューブ』の象徴である「フィア」の拷問具形態は、完成版よりも遥かにグロテスクで救いのない機械仕掛けとして設計されていたという。人間に仇なす呪いの道具「ワース」が持つ精神侵食のプロセスについても、より冷徹な心理描写が検討されていた。しかし、過度な残酷劇へと傾倒することを防ぎ、物語に切実な救済の光をもたらすため、主人公との共同生活という日常描写の純度を極限まで引き上げる決断が下された。未公開のプロットノートに記された無数の没設定は、本作がいかに繊細なバランス感覚の上で成立していたかを如実に物語っている。