鉄道各社は遅延対策の手をこまねいているわけではない。近年導入が進むAIを活用した高精度な運行計画補正システムや、全駅への可動式ホーム柵(ホームドア)整備によって、人身事故や転落リスクは大幅に低減した。
それにもかかわらず遅れが減らないのは、車両機器の不具合や過密すぎる運行ダイヤそのものに起因する。1分毎に列車が押し寄せる過密スケジュールでは、ひとたび狂った歯車を元に戻すための「バッファー(ゆとり時間)」が存在しない。テクノロジーの進化をもってしても、物理的な密度の限界を突破するのは容易ではない。