スキルス胃がんで長生きは可能か?最新治療と長期生存者の共通点

スキルス胃がんで長生きは可能か?最新治療と長期生存者の共通点

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スキルス胃がんが長期生存を阻む最大の要因は、胃の壁を突き破ったがん細胞がお腹の中に散らばる「腹膜播種(ふくまくはしゅ)」です。播種病変は血管が乏しいため通常の点滴抗がん剤が届きにくく、腸閉塞や難治性腹水を引き起こす原因となります。

この難題に対して確立されてきたのが、先進的なスキルス胃がん腹膜播種治療法です。

  • パクリタキセル腹腔内投与併用療法(IP療法):お腹の中に埋め込んだポートから直接抗がん剤を注入し、高濃度の薬剤で腹膜の腫瘍を直接攻撃する手法。全身への副作用を抑えつつ腹腔内の播種を叩く。
  • HIPEC(腹腔内温熱化学療法):肉眼で見える病変を手術で可能な限り切除した後、42〜43度に温めた抗がん剤溶液を腹腔内に循環させ、微小ながん細胞を熱と薬の相乗効果で死滅させるアプローチ(適応選定が極めて重要)。
  • KM-CART(改良型腹水濾過濃縮再静注法):貯留した腹水を抜き、がん細胞や細菌を除去した上で、患者自身の有用なタンパク質・アルブミンのみを濃縮して体内に戻す治療法。体力を奪わずに腹部膨満感を劇的に改善する。

これらの集学的治療を組み合わせることで、かつては為す術がないとされた重度の腹膜播種から病勢を抑え込み、通常の生活を年単位で維持する患者が着実に増えています。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。