アナウンサー、俳優、歌手、声優といった声や表情を売りにする職種にとって、顎の骨の位置を変えることは声質や発音、表情筋の動きが変わってしまう危険性と隣り合わせだ。慣れ親しんだ自らの「楽器」を作り直すようなものであり、一歩間違えればキャリアの致命傷になりかねない。
それでも決断した人々は、術後に徹底した発声トレーニングや表情筋のリハビリを重ねる。噛み合わせが正しくなることで、かえって声が通りやすくなったり、自然で歪みのない笑みが作れるようになったりと、結果として表現者としての幅を広げる事例も増えている。危険を跳ね返した先にある成長こそが、彼らのタレント性をさらに輝かせている。