インターネット上の相談窓口や整形外科クリニックの受診動向を調査すると、受診が遅れた患者の多くが共通の落とし穴に嵌まっている実態が浮き彫りになります。
「最初は太ももが少し張っている程度だったため、入浴中に強く揉んだりスクワットを続けたりしていた。1ヶ月後には歩行困難になり、ベッドから立ち上がることすらできなくなった」(40代・事務職男性の手記より)
「下半身を細く見せようと補正下着を常用していたところ、太ももの外側がチクチクと痺れ始めた。知恵袋で調べても原因が分からず不安になり病院へ行くと、神経痛と診断され衣服の圧迫を即座にやめるよう指導された」(30代・女性)
このように、太もも外側の張り放置厳禁の理由は、「代償動作(痛みをかばう不自然な動き)」による二次被害の深刻さにあります。太ももの外側に位置する大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)は、歩行時に骨盤を水平に保つ極めて重要な役割を担っています。この部位の機能低下を放置すると、反対側の骨盤が下がる「トレンデレンブルグ現象」が生じ、過度な負荷が腰椎や膝の内側へと転移します。結果として、最初は単なる太もも外側の違和感だったものが、慢性的な重度腰痛や変形性膝関節症へと連鎖していくのです。