実際に悩みを抱える女性たちは、どのような自己処理を行い、どのようなトラブルに直面しているのか。大手美容ポータルサイトのコミュニティ掲示板やSNS、知恵袋に投稿された数千件の相談事例を検証すると、共通する「失敗のパターン」が浮き彫りになる。
都内のIT企業に勤務する30代女性は、取材に対して次のような生々しい告白を寄せた。
「大事なプレゼンの前夜、拡大鏡で鼻の下を見ていたら1本だけ黒くて硬い毛があるのを発見してしまいました。慌てて眉用毛抜きで根本から引き抜いたのですが、翌朝には赤く腫れ上がり、ファンデーションでも隠せないニキビのような状態に。結局、プレゼン中ずっと手で口元を隠す羽目になりました」
ネット上の口コミでも「毛抜きで抜いていたら毛穴が鳥肌のようにボツボツになった」「埋没毛になって皮膚の下で毛がトグロを巻いて黒ずんだ」という悲鳴は枚挙にいとまがない。毛を毛抜きで無理に引き抜く行為は、毛乳頭周囲の組織を破壊し、毛嚢炎(もうのうえん)や毛孔性角化症を誘発する最大の引き金となる。
鼻の下のひげ自己処理の失敗と肌荒れ予防を真剣に考えるならば、毛抜きやワックス脱毛による物理的引き抜きは直ちに停止しなければならない。皮膚科クリニックの診察室を訪れる患者の多くが、「毛そのものの太さ」よりも「自己処理によって破壊された毛穴周囲の皮膚炎と色素沈着」の治療に長い歳月を費やしている現実を直視すべきだ。