大手企業のシステム運用部門や総務部への取材、およびSNSや知恵袋に投稿されたリアルな体験談を追跡すると、単なる技術的なトラブルを超えた「デスクワーカーの精神的消耗」が浮き彫りになります。
都内の専門商社で営業事務を務める30代女性は、当時のトラブルを次のように証言しています。
「月末の請求書締め切り直前、共有フォルダの売上集計表を開いたら『〇〇さんが使用中のため読み取り専用です』とポップアップが出ました。急ぎだったので〇〇さんの席へ走ると、その方は有給休暇で不在。PCの電源も切れているのに、システム上はファイルが掴まれたままでした。情シスに連絡しても『サーバーの残留セッションを切断するまで待ってほしい』と言われ、締め切りに間に合わないのではないかと生きた心地がしませんでした」
また、Web制作会社でディレクターを務める男性は、Windowsエクスプローラーの仕様に長年振り回されていた苦い過去を吐露します。
「何年も『たまにExcelが機嫌を損ねてロックされる』と思い込んでいました。別名で『最新_修正2.xlsx』などと保存して誤魔化していましたが、ある日同僚から『プレビューウィンドウを開いたままクリックしているからだよ』と指摘され、一瞬で解決したときは自分の無知を恥じる以前に脱力しました」
ネット上の掲示板やコミュニティを分析しても、「エクセル 読み取り専用 保存できない」という悲鳴の多くは、締め切り直前の緊迫した状況下で発生しています。焦ってファイルを複製した結果、どれがマスターデータかわからなくなる「ファイル先祖返り事故」が組織の各所で多発しているのが偽らざる現場の実態です。