裏流通市場において、最も高い頻度で売買されているのが、山菱の代紋が誇らしげに刻まれた年末年始の特製カレンダーだ。毎年、幹部らの名前や組織の指針が金箔押しで記載されたこの品は、かつては友好団体や極一部の政財界関係者にのみ配られる激レア品だった。現在、状態が良いものは1本あたり数万円から、過酷な抗争が繰り広げられた年代のヴィンテージ品になると十数万円以上の値がつくことすらある。
また、名入れの湯呑みや漆塗りの盃、代紋が刻印されたZippoライターや灰皿、さらには幹部の名刺に至るまで取引対象は多岐にわたる。買い手は国内のサブカルチャーマニアにとどまらず、アジアや欧米の裏社会コレクターにも及ぶ。
これらのアイテムが持つ「非売品」という稀少性と、社会の表舞台からは決して手に入らないという禁断の魅力が、プレミアム価格を跳ね上げる原動力となっている。だが、その取引の裏には常に偽物の横行というリスクも付きまとっており、本物を証明するための「鑑別」をめぐってコレクター同士のトラブルも絶えない。