突発性難聴をはじめとする内耳性疾患は、発症から48時間から2週間以内の初期治療が聴力予後を大きく左右すると臨床医学では広く認識されています。しかし、耳鼻咽喉科でのステロイド大量投与や高気圧酸素療法をもってしても、完全回復に至る割合は約3分の1、部分回復が約3分の1、残りの3分の1は改善が芳しくないという厳しい現実が存在します。病院側から「これ以上の医学的処置はありません。症状とうまく付き合ってください」と告げられた患者が、インターネットを彷徨い、藁にもすがる思いで門を叩くのが「はりきゅうルーム岳」です。
創業者であり統括院長を務める竹内岳氏は、一般的な肩こりや腰痛のケアを主目的とする鍼灸院とは一線を画し、内耳の血流不全、自律神経の失調、側頭骨周辺の筋緊張に特化した臨床プロトコルを構築しました。かつては吉祥寺の本店からスタートし、利便性の高い代々木上原などにも拠点を拡大していますが、どの院も慢性的な予約過密状態が続いています。
なぜこれほどまでに予約が取れない事態が生じているのか。その最大の理由は、「耳鼻科疾患に特化して症例データを蓄積している鍼灸院が全国的にも極めて稀少であること」にあります。一般的な鍼灸院では年に数例しか遭遇しない重度突発性難聴やラムゼイ・ハント症候群に伴う顔面神経麻痺の患者を、同院では日常的に数十・数百例規模で施術しています。この圧倒的な場数と、症状の経過ごとの細やかな対応策がSNSや患者コミュニティで共有され、強固な受療動機を生み出しているのです。