発掘現場のぬかるんだ粘土層から、それは突然現れた。直径わずか数ミリの、吸い込まれるようなコバルトブルーのガラス玉。分析の結果、このガラスの原料は遥かローマ帝国領内、あるいはペルシャ周辺からもたらされた可能性が高いという。これまでの定説では、こうした超長距離の交易品が日本列島に流入するのはもっと後世のこととされていた。今回の発見は、そのタイムラインを大きく前倒しするものだ。
現場の学芸員は「鳥肌が立った」と語る。千数百年の時を超えてなお、その青さは失われていない。当時の人々がこの輝きに何を見たのか、想像するだけで胸が躍る。